信じることの大切さ 信じられる大人

2018年09月19日
児童養護施設

信じることの大切さ 信じられる大人

私がA君と出会ったのが、A君が入所した時、そう小学校1年生の頃でした。

A君はとっても素直な子で、人が言った言葉を大切にする子でした。

 

A君は、近隣からの虐待通報があり、一時保護所へ緊急入所、その後、児童養護施設に措置変更されました。

 

入所時から自分の感情を、職員や友達に表現できず、ただひたすらシクシクと泣き、黙ってしまう子でした。

 

そんなA君が中学生になりました。

心が純粋で、物事を真っ直ぐみれるA君でしたが、中学校で目立つ先輩と連むようになり、生活リズムが崩れ、帰園時間も遅くなりました。

そしてある日、事件が起こりました。

私たち職員は、子どもの不信な行動や、私物が増えることに普段から注意を払っております。

普段通り、部屋の掃除をしようとA君の部屋に入ると、ベッドの上に見たことがない洋服や、アクセサリーが散乱していました。

学校から帰園したA君に尋ねると、固まり黙り込んでしまいました。

それは万引きをしているという証でした。

本人が話してくれるまで待ちました。

何時間経過したか分かりません。時計の針が深夜1時を回るくらいにやっと話してくれました。

翌日、一緒にお店に謝りに行きました。

A君とは、もう絶対にやらないという約束を交わしました。

 

ですが、その後も2ヶ月に1回のペースで万引きが見つかり、謝罪する日々が続きました。

A君がやめてくれることを信じ、何度も伝えました。

ですが、思っている以上に物事が大きくなり、警察や地域住民、児童相談所も介入することになりました。

A君にはペナルティーが与えられました。

次、万引きや地域の方々に迷惑を掛けてしまった場合、更生施設に措置変更しなくてはならないことになりました。

私は必死でA君に伝えました。

「次、万引きや地域の方々に迷惑を掛けてしまったら、更生施設に行ってしまう。お願いだからもうしないでね。A君が居なくなるのは嫌だからさ」と何度も伝えました。

伝わってほしいと願いましたが、また万引きや、花火の放火未遂をして捕まってしまいました。

万引きは今まで以上の被害総額でした。

万引き被害にあったお店からは、あなたのところの施設の子は出入りしないでほしいとまで言われました。

何もしていない子ども達まで巻き込んでしまったのです。

このことがきっかけとなり、更生施設に措置変更させることになりました。

措置変更日が正式に決まると、A君と一緒に児童相談所へ行きました。

相談室に通されると、A君は泣きながら「もうしないから。信じて。お願い。」と何度も叫びました。

そんなA君を見て、私も涙がボロボロこぼれ落ちました。

私の泣いている姿を見たA君はさらに、「本当に!本当に今回は違うからさ!お願いします!」と叫びました。

A君を落ち着かせるために私は退席することになりました。

私自身、とても悔やみました。自分自身、子ども達のために何もできないことを深く痛感しました。

そのこともきっかけで、7年ほど施設で務めていたのですが退職を決意しました。

 

それから2年後のことです。

何処で知ったのか分かりませんが、私の携帯にA君から連絡が来ました。

 

「久しぶり!俺さ更生施設を出たんだ。今、お父さんの家で暮らしているんだよね。ねぇ会えない?」

声変わりをしたA君の声が、

「もちろん!A君が好きなお肉を食べに行こう!」と私は答えました。

 

1週間後、A君と一緒に食事をしました。

A君は高校1年生になっていました。

 

更生施設で頑張って勉強をしたそうです。

そして志望校に入学できたそうです。そして家に帰れたそうです。

 

とても嬉しい気持ちになりました。

そして、私はA君に謝りました。

「万引きを止めさせられなくて、本当にごめんね。」

 

そしたらA君から、思いもよらない言葉が返ってきました。

「なんで謝るの?俺が何度も言われているのにやってしまったからしょうがないじゃん。それにさ、なんか更生施設が俺に合っててさ、勉強が好きになったんだ。だから志望校にも入れたし、家にも帰ることができた。だから謝らないでよ。最後まで信じてくれた大人だし、だから今の俺がいるんだ」

今のA君は以前とは見違えるほど成長をしていました。

信じることの大切さを、改めて実感しました。

私の行いが間違っていたと思っていたので、この一言で少し自信を取り戻すことができました。

だからこそ、これからも信じる心を大切にしていきます。

 

私たちにできることは、子どもたちの夢や目標を叶えるきっかけを創ることです。それは夢や目標が叶うと信じることです。

私たちの活動には、皆様からの寄付が必要不可欠です。

これからも一緒に子ども達の夢、目標を応援しましょう!

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